小路より大路へ、そして(改訂)/ひだかたけし
 
司りに従い小路をいき続け
青々とした木の葉の一枚ふわりふらり
足許に着地し揺蕩いながら懐いてくる

苦しく狂い乱れる流浪の時を終え
止まるべくもない時の留まるに此処
ゆっくりゆくり裂け開く時の間から
月の端の覗きやがて形なす満々と
白銀の輝き響きやはらかにもう
木の葉のその最中に浮かんで居る

時節充ち崩落する司りの小路、
前方にひよっと現れる大路の広がり
溢れ漲る力に介され仰ぎ見れば

雲間に浮かぶ下弦の月
奇跡の如く必然の如く
なんすべなくひたすら魅入られ
かさこそ裸足にこそばい木の葉の揺れ

終わっては始まる時の狭間に在り
内から召命され直に自ら呼応し
一歩踏み出す我 、飽くまでも
天国と地獄の間に明かす進路に迄










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