だからわたしは殴られる/室町 礼
限の法定化。
それを語らない共産主義や社会主義思想はデタラメであると思うのですが
ああ、こんなことをいうからわたしは殴られるのだな。
中学卒業をまじかにして就職しなければならなくなったとき、
施設の先生とにこやかに将来の話をしていたのですが、ついうっかり
本音をもらしてしまった。
「人間はどうして働かなければならないんですか」
その口調には他人の為に働いて相手に富を与えることへの不満が色濃く
滲み出ていたのかもしれない。
先生は僧侶だった。そのときたまたま拍子木を手にもっていた。
まるで条件反射のように寸秒の差もなかった。
その拍子木で思い切り頭を叩かれていた。
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