冬の童話たち/森田拓也
 
散る音も転がる音も枯葉らし

寒のみを老野良猫に感じたり

木枯らしや葉っぱ転がる二歩三歩

皸(あかぎれ)が嫌がらせする小指かな

ランナーを真似てか岸辺走る鴨

それぞれに想ふ日々あり年惜しむ

読み返す賀状のありて年の暮

ゴミの日はメシの日なりや寒鴉

日溜まりの方へ飛び立ち寒雀

メモ帳となり生き延びろ古暦(ふるごよみ)
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