日記(思うこと)/由比良 倖
 
う。誰かに手を引いて欲しい。でも、これは僕の問題だ。今僕は父に囚われているのではなく、自分で自分を縛っている。僕は僕の弱さを父のせいにして、自分から目を背けてて、そう考えると、父の方がとばっちりを受けてるんじゃないのか? 実際、今現在、父は一階にいて、どう考えても今ここにいる僕を縛ってなんかいないのだから。

 僕の弱さ。それは多分、僕自身が纏っている自己イメージと、元々の僕の間に、かなりの齟齬があることを、あまり見たくないことだと思う。僕は多分、ずーっと昔から、いい人で他人思いである人間を演じてきたと思う。でも、そんな上っ面が嘘だってことは、かなり明確に分かっている。僕はきっと、いい人じゃな
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