誰かの冬の物語/森田拓也
 
コーヒーをやめて白湯(さゆ)にす冬の朝

小春日の電車園児に満たされて

ふくよかな大根足の娘(こ)もいいね

その音のパリッと淋し踏み落葉

シュッとして冬のゴキブリ安楽死

大根も主役となりてお味噌汁

ジャケットを手に持つ小春日和かな

冬の蝶お元気そうで何よりです。

丁寧にその色を掃き散り紅葉

散紅葉(ちりもみぢ)掃けど掃けどもこぼれつぐ

人としてまた出逢ひたし帰り花


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