彩の瘡蓋/ホロウ・シカエルボク
アノ曲でも合わせてみれば少しはそうなるかもしれないけどね、そう、それは多分、ひとつの命が持つ絶対的な説得力なんだろうな―蝸牛を踏み潰したことあるかい?あの時に過る妙にしっかりとした罪悪感に近いものがあるかもな、それは蝸牛の殻が、やはりあまりにもあっけなく潰れてしまうからなんだろうな、ああ、蝸牛と言えばさ、俺の実家は山の側なんだけど、土止めのコンクリに何本も水抜き用のパイプが埋め込まれてるんだけど、そのパイプの中が軒並み蝸牛のアパートになっててさ、もう信じられないくらいの蝸牛がそこで生活してるんだよね、大きいのから小さいのまで盛り沢山さ、人生であんなに大量の蝸牛を日常的に目にしていたのは、あそこに住
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