彩の瘡蓋/ホロウ・シカエルボク
 
来事となんら違いはない、ただまあ…そうだな、それがあまりにも小さく、あまりにもパッとしない花だったからこそという説得力みたいなものは確かにあった、それは認めざるを得ない、別にこれは感傷的な話じゃない、どちらかと言えば生命力とかそういうものについて語っているのかもしれないね、自分でもよくわかってはいないけれど、そうだな、人の死とか、激しい崩壊とか―そういう衝撃的な要素がまるで無いぶん、逆に印象深く残ったと言えばいいかな、とても静かな衝撃のようなものがあった、と言ってもいい、そしてそれはあまりにも当り前に、あっけなく始まって終わった、どんなドラマティックな要素も無かった、録画してスローをかけて、ピアノ
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