毒華〜HANA〜/栗栖真理亜
 
温かい土のなかで眠り続け
眩しい光に導かれて
初めて外の世界を知った
希望と期待を抱きながら

何も知らなかった私
たくさんの愛と夢が
私を守ってくれると信じていた
たくさんの裏切りと哀しみが私を
待ち受けていることすら知らずに

さぁ、今宵私は
蕾から艶やかな花へと変化する
それは誰をも魅了する
誰をも寄せ付けない毒の華
あどけない過去を脱ぎ捨てて
虚実(ウソ)と虚飾(ミエ)とが
混在する俗世(ヨ)を生きてゆくの
媚びと誘惑の仮面をかぶりながら

人工で彩られた愛を
あなたの耳許で囁いてあげる
もうあなたは私から
逃げられない夢の虜
夢遊病者のように
私の肢体(カラダ)をさ迷い
堕ちて逝くの
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