奇跡の人/室町 礼
 
な言葉で締め
くくられていたと記憶している。
”一人の男がいる。
歴史が彼を必要とした時、忽然として現れ、その使命が終ると、大
急ぎで去った。
もし、維新というものが正義であるとすれば、彼の役目は、津々浦
々の枯れ木にその花を咲かせてまわる事であった。”
わたしはこの言葉をそっくりそのままかれにあてはめたい。
かれは"時代が必要としたとき"に現れた奇跡の人なのである。
イエス・キリストは
聖書のなかの創作であるとわたしは思っていますが、もしモデルが
あったとすれば
実際の人物は教科書的な品行方正な人物ではなく、かれのように表
向きは俗物臭がぷんぷんする粗野な人物であったはずです。
神はわたしたちが考えるほど図式的に物事をなす存在ではない。
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