ソーニャとニーニャの天獄日記 第一話/アタマナクス
癖でくるんとしている、発話担当特務処理管の滑らかな墨色で微かに電磁波を放っている片側に縦の紅いラインの入った制服を着た、片膝を立てて座っているソーニャが、水色の大きな渡り鳥が光速で通り過ぎるように視界に入った。ふたりは笑った。
「生きてるうちが花なのよ。」
ニーニャが歌う。
「死んでく命はなんという?」
ソーニャも歌う。
ふたりは歌う。
「光りの彼方でふふふのふ。」
ふたりは咲き誇るタンポポが綿毛になるまで笑ってから、永劫を棄却するように同時に息をつき、眼を閉じた。ふたりは部屋から消えた。
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