所詮人間/栗栖真理亜
哀しんでる他人観ながら嘲笑い愉しむ
所詮人間
隣人に同情し憐れむなんて出来ない
自分より高いところへ
手が届きそうな奴がいれば
仲間と蔑む瞳向けて嫉妬に胸焦がす
所詮人間
己の罪を自覚し戒めるなんて出来ない
(あぁ、それでも神は彼らを慈しみ愛すのか)
今よりも豊かな生活に憧れて
金を増やす方法ばかり考える
所詮人間
清貧なんて守れない
お目当ての獲物捕らえる為なら
酔った振りして簡単にベッドの上で股を開く
所詮人間
純潔なんて守れない
(慈悲深き懐深き神はどこまで人間の自由意思を許すのか)
あゝ神の下ではみな平等
どんな悪徳も愚行も最期の審判では裁かれず
幸福に天へ昇る
我々みな、所詮人間
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