屍の詩/
栗栖真理亜
振り払っても
振り払っても
追いかけてくる
ぽっかり開いた暗い穴
闇はすぐ傍まで迫って来る
どんなにはしゃごうと叫ぼうと
光は駆け足で逃げて行く
そうだ
希望は失望から絶望へと堕ちる
それは逃れられない真実
耳を塞いでも
顔を両掌で覆っても
突き付けられた今は
嘲笑いながら目の前に鎮座する
この現実に夢は棄て去り
暗がりの道を歩こう
目的などない
生きている
ただそれだけを道しるべとして
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