大阪文学学校の思ひ出 ─続・大阪文学学校体験記─/室町 礼
たしも講師たちやク
ラスメイトの意見と同感なのだが──イケメンとは正
反対のぶさいくな顔である。態度も性格も知性も学歴
も、誰が見ても標準以下で、貧乏人である。それがゆ
えに文学学校の女生徒たちからは相手にされていなか
ったし邪険にもされていた。
そのわたしが当時の文学学校でもっとも上品で知性的
な女性(上智大学を出てベルギー、英国などの留学経
験があり同時通訳の一番上の資格も持っていた)奥さ
んと、さらには、当時の文学学校ではもっともおおら
かに自由奔放に育った可愛い女の子(横浜の富裕層が
多いエリアで有名な横浜市中区山手町出身だった)S
嬢、その三人がいつも喫茶店で密談
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