01.1../ryinx
 
少しだけ 似ていて すこしだけ 似ていた 少しだけ 似ているようで しばらくのあいだ 融解している 小石を みずうみに おとす 音がする 音がきこえる 音が きこえる 音が 聴こえる ゆめのなかの ゆめに ゆめをみた あさに カーテン越しの かすかなひかりの残像は みえるともなくきえてゆく ゆめのなかで 中心線の 栞と 古びた布の きりさかれた 仔猫の ゆめの なかで すこしだけ きこえる 寝息を写して 町は 音のない プレハブの もくめと 枯れてしまった 破れた扉と 少しだけ 錆びた鉄琴の音色に 戻れない 記憶の 底の 落ち窪んだ ときのなかで 結果的には さいごまで そこは 迷路のように それ
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