Shattered/ホロウ・シカエルボク
がちに突いているような鼓動が―さて、目下のところ、俺に出来ることは二つだった、じっとして、なにかが起こるのを待つ、とにかく頭の中で、なんでもいいから闇雲に思考することだった、体力勝負に出る気は最初からなかった、概念上の世界ではそんなものなんの役にも立たない、全盛期のスタン・ハンセンだって、氷山を内側から突き破るなんてことは出来ないはずさ、俺は両方いっぺんに実行することにした、なんでもいいのだ、思いつくままに考えることにした、最初は、どうして自分がこんなところに閉じ込められたのかという点について―といって答えは考えるまでもなかった、まるで心当たりなど無いのだ、良いことも悪いこともそれほどする人間では
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