寂寥/
そらの珊瑚
あたたかい紅茶のなかで
みのむしが
みのを手放しておよいでいくのを
追いかけることもせずに
ながめていた
満月の映る淵で
きみは大人になることだろう
何者かになりたかった
何かにはなったのだろう
およいで
およいで
たちおよぎで
ふりかえれば
みなもに
ほそくてたよりなげな
さざなみのわだちだけがある
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