ホロウ・シカエルボク氏「喪失というものにかたちがあるとしたら」を読む/朧月夜
あれば、作者の最後の一行を読めば良いのですが、──それは、この作品の本質的な価値だろうか。まあ、読者はまずこの言葉に安心して、度胸があるのであれば、それ以前を埋め尽くしている表現の混沌に投身してみよ、という作者の挑戦と野心をわたしは感じるのですが、「喪失というものにかたちがあるとしたら」……これは、最初に現れた言葉か、最後に現れた言葉か、あるいはそこに時系列(卵が先か、鶏が先か)などは存在しないのか。ふいに話題を逸らしますが、ピカソの「青の時代」「ばら色の時代」……その中間の「なんでもあり」しかし「なんでもありさえもの否定」という、一芸術家の一格闘のようなものを、この詩のなかにわたしは感じてしまい
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