恋の皮をかぶった祈り/shari
祈りなんです
ぼくがきみを想うこと、は、祈りなんです。
ぼくたち、お互いのこと何も知らないから、だから。
君の顔も、性格も、スタイルも、センスも、全部全部、きみを構成する全てが好きです。きみに好意を持っているから、が、その証拠になってくれます。
きみをせんぶ、なんて、ほんとはわからないよ、ぜんぜん、わからないよ、知り得ないよ、でも繋がっていたいし、わかるふりをしてきみをうけいれたい。
便宜的に定義した感情が、それが恋のかたちをしていなくてもふたりで目をつぶしあって恋のふりをしよう。したい、よ。
祈りなんです、全部。わからないこと、わかるふりをして、きみの全部を肯定して、きみもそんなふうにぼくの全部を肯定する。そのことに気づかないふりしてふたりの「恋」を確かめあって、恋で縛り合うんだ。
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