はね/おまる
 
羽根が送られてきた

ご丁寧に封蝋で綴じられている差出人を書いてない封筒 ここ何日かこの羽根の事ばかり考えていた
アーク森ビルの陸橋を渡る途中 ピーポ君の看板が立っている ここに漂う虚無は人生みたいに
もって生まれたままで むごくて

こうしてまた会えてうれしいよ 羽根に込められたメッセージ かつてわかちあった共感や笑い
昔何が起きたのかを知っている者は徐々にその場所を譲り渡さねばならない 手元に残ったのは
この悪魔みたいな羽根 もうわかりあう日はこないんだね

別れてすぐは どうしようもなくつらかったのに 少しずつ以前の自分を取り戻し快復する
でも時間は止まったまま 配達員
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