メロディー/秋葉竹
もう、
笑ってもいいんだよ
って云われた、
ような
笑っていないのは
すこし弱くみえるらしいし
ずいぶんむかしのことだが
たぶん白みはじめた鳥たち囀る早朝
いちばん悲しげな瞳のひとに
あたしの、
涙をこらえている
頑なな笑い声は
あたしらしくないって
云われた
ような
なら、悲しみって、なんだろう?
なぁんて、ね
嘘さ。
夢よりもあかるい
刻印のような嘘を
越えようとけんめいに
自然に笑ったつもりのとき
彼女のうっすらと笑うやさしい寝顔に
ずいぶんと癒されたような、
なぁんて、ね
嘘さ。
あたし
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