約束の地/由木名緒美
高! あ〜、久しぶりにゆっくりできたよ〜 。」
私も心から気持ちよかった。
風と、木漏れ日と、歌声と、優しい言葉に包まれて、私達は一時間の天国旅行に行っていた。
駅でみきちゃんがエスカレーターを降りていく。みきちゃんの頭が見えなくなるまで、二人共大きく手を振った。
みきちゃんが帰りの電車で眠れますように。彼女の飲む一杯のコーヒーは、私達の一万倍、とびきり彼女を幸せにする美味しい味でありますように。
夜に、みきちゃんがLINEをくれた。
「……まだ希死念慮は消えないどころか日に日に強くなっていくばかりではあるけれど、良い方向に変わっていけるよう見守っていてね♪ お互い
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