二〇二四年九月二十八日/山人
 
山岳の登山道整備や除草を行っている。その辛さや過酷さを題材に、たくさんの詩や散文を書き、それを読んで欲しいという気持ち以上にその自己の苦労に陶酔していた気がする。
 六十里登山口駐車場は、標高七五〇メートル。天気予報は良くは無かったが雨に降られる予報ではなかった。しかし、乳白色の霧に覆われていた。ヘッドランプを取り出し、簡易椅子に座り地下足袋を入念に履く。山アプリを起動しオンにする。野帳にスタート時間を記入する。山アプリと山岳保険は対になっており、異常があれば家族が知ることができるようだ。
 歩き出すと、本能的に光を求める数々の虫が乱舞し、ヘッドランプに寄ってくる。時折、山道のヒキガエルの幼生
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