すべては無意味/アラン・マッケル=作/中田満帆
ォーツ・ヒルの職安通りで
かれと最後に遇ったのは10月の第2木曜日だったとおもう
救助艇に潜り込もうとするかれを咎めて、
酒を呑ませようといったら、
かれに断られた
アル中のくせによとおもった
かれが命を絶ったと聞いたのは知人の文藝仲間からだ
わたしはなにもいえなかった
すべてが無意味であることによって
アラン・マッケル/1940年、サウス・ダコタ生まれ。父の失業により各地を転々とする。10代から詩を書き始めるも、30代に小説家へ転身。B級アクション小説を連作。代表作に『Acid Down(原題)』、『Combat Line(原題)』がある。そのあと映画関係の仕事をするも、失踪。1982年、アーカンソー州にて一文無しで倒れているのを発見される。州立病院にて死亡確認。身寄りはなかった。享年41。死後、有志たちによって詩集 『Allan Mckelle : Uncollected Poems : 1956-1976』がだされた。 わたしは詩集を古本屋で見つけた。100頁にも充たない本の解説にブコウスキーとの類似性云々の文章があったので買った。
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