眠りわずらい/田中教平
睡眠薬に
頓服を服したのに眠れない
眠れないと考えることが
ますます眠れなくない原因ゆえ
私はポッカリ
電灯を点け
胃に
迫りくる、突き上げる情感を
しかと認めて
あとは流すばかりで
風がごうと吹く
秋の長い夜はただ自己の身一点
ちらつくばかり
風にちらつくばかり
しかし紙に言の葉を書き落とし
こころときほぐせば
ぐっすり眠れるような気もする
なにぶん「苦」はのぞかれて
二階
キッチンに向かい
今日あった
あんなことこんなことを
赤ラークを吹かしながら
天に還そうとおもう
天上は明るめられてその賑わいが
私の夢に落ちてくる
布団ちょうどよく
少しの涼しさにみる
郷の夢に落ちてくる
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