青虫/木屋 亞万
づけた気がしました。
いつの間にかお腹の具合もすっかり良くなり、腹ペコでもなくなっていました。小さかった青虫は、大きく太っちょになっていて、なんだかひどく眠いのです。
まもなく青虫はさなぎになって、何日も眠りました。身体が一度どろどろに溶けて、かたい殻のなかで新しい自分に生まれ変わっているのがわかりました。
「あ、ちょうちょ!」
夜の終わり、これから沈もうとするお月様が、さなぎから出てきた青虫を見つけて言いました。
青虫はきれいなチョウチョになりました。これまで食べてきたものが、羽を彩ってくれているような気がしました。
これでお月様やお日様がいるお空を、自由に飛べるようになったのです。
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