青虫/木屋 亞万
 
ぶん昔のことのように思えました。どちらも同じ土曜日のことです。この甘いケーキの膨らんだ生地は、なつかしい寝床のように安心感がありました。カップについた薄い生地の層まで、青虫は残さず食べたのでした。

 スイカ。
 きょうはとてもたくさんの食べ物を食べることができました。どの味もおもしろく、食べ進めるのは楽しかったのですが、ありのままのフルーツが恋しくなってきました。結局、スイカをそのままかじるのが一番おいしいのです。はじめて食べるスイカでしたが、そのままの自分の姿で勝負することの大切さをスイカから教えてもらったような気がしました。

 その晩、青虫はお腹が痛くて泣きました。
 自分の身
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