夏空/
たもつ
裏窓を覗き込む
一艘の夏列車が停留していて
すっ、と
深呼吸を終えた
風を追いかける風の後ろ姿
もぬけの殻になった頁
ノートの終点にはいつも
書きかけの詩がある
男が現れて
いいものがありますよと
虹の標本を見せてくれた
けれど男はそもそも
現れなかった
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