時差ボケの朝に/番田
何を見てきたのだろう
一体 どこに行ってきたのだろう
ぼんやりと 写真を 見ている
日本語のラジオを聞きながら
日本の食べ物を食べ
少しだけ物思いにふける時
僕は日本人であることを確かめる
甘いバナナや マンゴーや
おいしかったマンゴスチンや
濃厚なミルクもココナッツも
ここには もう 無いけれど
僕は日本人であることを確かめる
味噌汁を飲み
安全な果物や 食品を食べ
排気ガスのない通りを歩き
電車に乗り どこにでも行き
バリアフリーの整備された歩道橋の上で
僕は昨日までのことを思い出すのだ
誰かの歌っていた陽気な鼻歌や
大勢の人を満載したジプニーや
大勢の人で礼拝の行われる教会や
シュートの放たれたバスケットコートと
僕は 同じ 9月の日差しの下で
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