咲花とかえで/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
 
かえでに我慢をさせるのは、ためらわれた。郁子が高校時、女に教育はいらんが持論の父が大学の費用は出さんと言い張り、説得しても通らなかったのだ。
 成績がそこそこ優秀だったにもかかわらず、やむなく高校を卒業したのち、地元の企業に就職した苦い経験が、彼女をその気持ちにさせた。
 高校生にもなればバイトで少しまかなってもらうことは教育的にもいいことだと思うが、まだ時間が2年弱ほどある。その間まで辛抱してもらってもいいが、出来れば、娘のためにある程度のことはしてやりたい。そう郁子は思うのだった。
「いいパートでもないかなあ……」
 つぶやくと、しばし気が遠くなっていった。 
 しかしそうもしていら
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