咲花とかえで/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
 
る。準備するに越したことはない。
 4番、5番が倒れ、かえでの打順になった。
――必ず打つ!
かえでは初回の打席で、すでに確信を得ていた。
 1球2球とボールが続き、そのあとストライクが入ると、その確信はより強固なものになった。
4球目が投げられた。
チェンジアップ。
 かえでは合わせると、快音を響かせた。
「やったあ、かえで先輩!」
 打球はショートとサードの間を速く抜けるとレフトにまで達し、シングルヒットとなった。シュアなバッティングで鳴らすかえでらしい打球だった。
そしてかえでの打球で調子を崩したのか、敵側のピッチャーの制球が大きく乱れ、7番にフォアボール
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