夕方の木漏れ日(水色の恍惚)/陽向(2躯-30〜35)
貴方(ここでは敢えて漢字で書かせて頂く。深い敬意を今以って込めて)を初めて見た時の憧憬は、絶望の闇に立ち尽くす私を一瞬で救い上げたのでした。
世界は常に私を忌み嫌い、神は私に何一つ真理の道しるべを与えないのでした。世界は私を嘲笑い、神はいとも簡単に私に暴力を振るうのでした。
この幼き私は、あまりにも独りぼっちで、誰よりも無力で、誰よりも叱られてばかりであり、優越感などというものは1mmも知らない哀れな少年でした。
貴方を見た時、そこには驚くほどの静寂がありました、まるで、悟りのようなものが、虎の様に、静かに私を食い尽くそうとするかのようでした。
朝の、そろそ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(7)