風が俺を撫でようとするときに友達と居てしまっては/ホロウ・シカエルボク
 

狂った時計はそのままに、どうせ完璧な時間など無い、賞味期限の切れたレトルトを平らげて、終わりかけている繁華街へ繰り出す、夜に少し雨が降って、アーケードは埃臭い臭いがする、自転車の数人の若者たちが奇声を上げながら走り抜ける、まだ新しい自転車なのか、タイヤがタイルの上でバスケットシューズみたいな音を立てる、俺はレモンの味がついたミネラルウォーターを飲んでいる、水に金を払うなんて馬鹿なことだと思うかい?前に誰かにそう言われたことがあるんだ、お前んちの水道はただで飲めるのかって訊いたら何も喋らなくなったよ、みんな勘違いしているけど、皮肉って頭が良いやつしか言っちゃいけないものなんだぜ、百円ショップで要
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