思い出は語られるためにある/岡部淳太郎
 
horiくんに対する印象は初めはよくなかった。しかし、ウエノポエトリカンジャムという一大朗読イベントや詩集や同人誌の即売会であるボエケットなどで実際に本人に会ってみると、その礼儀正しさと人柄の良さに触れて印象はいっきに好転した。繰り返すが、彼は詩の朗読の現場におけるスターだった。ウエノポエトリカンジャムで客席の端で見知らぬ若い男たちを前に即興(なのだろう)でラップのパフォーマンスをやっていたのを遠巻きに眺めてすごいなと感心したことがある。
 正直僕は詩の朗読のシーンに積極的に関わってこなかったので、choriくんのことを詳しく知っていたわけではない。しかしながら、少ないながらも存在した思い出に蓋
[次のページ]
戻る   Point(3)