ルード・ボーイたち/中田満帆
 
雲もやがては見果つるに悪魔主義者もしずかに去りき


 羞じらいもなくて眼をひらくひと/「きみのようだ」と通信回路


 椿象のゆくえをおもう俎板のうえを這ってはじきに消え去る


 ことば少なげに愛を語る男に遭っていまだぬぐえない背徳感


 ミシガンという渾名の猫が飛ぶ夏の庭にて語る亡命


 「この夜がいまに正しい昼となる」──夢の日記に書かれた科白


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