第49回城戸賞二次選考通過作品シナリオ【銀木犀の樹の上で】改編稿?/平瀬たかのり
教平「あんな」
蘭子「ん」
教平「その『教平ちゃん』って言うの、
もう」
蘭子「嫌なん」
教平「もう高校生になったんやし」
蘭子「べつにええやん。教平ちゃんは
教平ちゃんのまんま。小二の時靴
隠されて、ピーピー泣いてた教平
ちゃんのまんまや」
教平「……」
蘭子「覚えてるか。あのとき靴隠し
たアホの末永見つけて、その靴で
あいつの頭思い切り叩いたん。
おかげでこっちが先生とお母ちゃ
んにえらいこと怒られたんやから」
教平「忘れえや、そんなこと」
蘭子「わたしも『蘭ちゃん』のまま
でええで」
歩いて行く二人。
〇前同・校舎入口付
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)