ある日の叔母のこと/朧月夜
 
どうしたの?」「なんもね。お金ないんだろ?」──そこは、何があったのか聞いてほしかった。「貸して」というのが「無心」のことだとは分かっていても、叔母なら律儀に返しに来るかもしれない。そんなことを思った……

 若いころにはビールを飲みながら、煙草をくわえながら、叔父たちと賭けマージャンなどをすることもしばしばで、そんな叔母にわたしは母よりも親しみを感じていましたが……。いちど、「〇〇叔母ちゃんの子供だったら良かった」と、まだ未婚の叔母に言い、母と叔母を困惑させたこともあったりします。冷たい娘だ、わたし。

 母の兄弟のなかで母と一番親しかったのが、この叔母で、陰性の母とくらべると、はっきり
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