ある日の叔母のこと/朧月夜
ず……
「叔母ちゃん、昼間に寝ているの?」──と、夜の職業ということを知らなかったわたしは、驚いて母に尋ねた覚えがあります。母は叔母とは対照的に水商売が嫌いで、そうですね、いわゆる堅物だったのですが、そのときもあいまいにごまかされて、戸惑ったのでした。部屋に入ると(母は勝手に入った)、起き出してきた叔母は「〇〇ちゃん、アイス食べたいでしょう?」と。
百円を渡されて、一人で近くの商店に行かされたのですが、あまり子供には聞かせたくない話をしていたのかもしれませんね。ところが、叔母のマンション近くには店らしい店がほとんどなく、三〇分ほどあちこちをさまよってようやく一軒の店を見つけ、アイスは
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)