タイトルを持たない、/パンジーの切先(ハツ)
きを得たが、母はその一瞬の出来事にも、目の前に置かれた彼女の分のサラダに目もくれず、日頃の鬱憤を晴らそうと、オレンジジュースを片手に話し続けている。
私は、フォークを2人分、カトラリー入れから取り、一つを母に渡し、母にことわってから、サラダを食べ始めた。ドレッシングが甘酸っぱいような味で、水菜やサラダもしゃきしゃきとして、美味しかった。てっぺんに乗っていた、コーンをチョイチョイとあとで食べようと避けつつ、サラダを食べ進める。
好き嫌い、まだあるの?
私は顔をあげる、母が白けた顔で私の方を見つめていた。まあね、まだ少しある。でも、嫌いなわけじゃないよ、食べる、けど、最後でいいかなって。
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