タイトルを持たない、/パンジーの切先(ハツ)
び出されたのだった。私にできることはなにもない、私は何もしないと、はやく告げなければならないが、私はのろのろとパスタなんかをたべている。この後のことを考えると、胸が勝手に苦しくなるが、本当に私に出来ることはなにもない。ただのフリーターの私が、母を迎えて暮らすのはあらゆる観点から無理だし、金銭的援助も今以上には、無理だ。お腹が痛くなって、母に言ってから、ハンカチを片手に、お手洗いへ向かった。馬鹿馬鹿しいくらいうるさいここに、私の居場所がないことは自明だった。ならば、母はどうだろう。お手洗いのドアノブを握って開けたとき、しかし、私には、母がどのような暮らしをしてきたどのようなひとなのか、そして、その(
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