タイトルを持たない、/パンジーの切先(ハツ)
も元気、昼間っからこんなとこ、元気じゃなきゃこれないよ、と返ってきて、私はそれに頷く。ここにいるさまざまな年代の客に共通しているのは、ありあまるエネルギーだ、そして、それは私に足りないものでもある。母は、メニュー表を一度隅から隅まで見たあと、また最初のページにもどり、二周目のメニューチェックを始める。店員に、もう一冊メニュー表を頼もうとするが、店員は忙しそうで捕まらない。それどころか、目すら合わない。諦めて、母のメニューが決まるのを待つ。
母は、ナスとベーコンのペペロンチーノとオレンジジュース、私は、本日のおすすめとウーロン茶を頼むことにして、呼び出しボタンを押して、店員を呼んだ。注文が繰り返
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