白水/英田
 
女の白くむくんだ身体に執着心があったため、最後に、肉体も魂も、燃やし尽くしてやろう、と思った。同じ金の匂いしかしない汚らしい身体を、擦り合わせて、燃え尽きてやろうと思った。その後なら、と考えたが、一つたりとも消えてしまう汚れなどない、と苦笑いを浮かべた。白いおもちゃを自分の手で汚す。汚れた女と一緒に生きることはできないが、俺の手が汚れていないことにもできない。殺さないも殺すも私の中では同じになった。私は苦笑したまま、女を飲みこむように覆い被さった。

 私と女の姪のサユは東京駅で落ち合うと、二人で電車に乗って郊外にある私の住居へと向かった。サユは電車の窓の外の景色を熱心に眺め、真新しいものが
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