白水/田井英祐
私はおもちゃになってくれる体が欲しかった。遊べば遊ぶほど手の垢で汚れるような白いおもちゃが欲しかった。そのためならば何でもしようと思った。どんな犠牲でも払えるのだった。
親・親戚・友人・知人から起業のためという名目で、ありったけの金を借りてしばらくの間働かずに豪奢な生活が出来るようにした。金を借りた時はまだ、仕事をしていて甲斐性があったため、金を借りるなどわけのないことだった。不相応な暮らしをしておもちゃの目をひき、金に目の眩んだおもちゃを買おうとした。
友人や会社の同僚達は私が金を借りてから態度を変え始めた。それは同僚達から借りた金で甲斐性に不相応な生活をしていたためだ。金を借りられた
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