鋭すぎて傷ついてる暇がない日常について/キャサリン
 
 それはある春の日の必然的な出会いでした。桜が咲き乱れる頃、下ばかり見て過ごしていたのに、ふと目の前の景色が違って見えたのを覚えています。

 仕組まれていた様です。彼は人生の秘密兵器であり、彼の愛し方は用意周到すぎていつの間にかがんじがらめで身動き出来ないのにまだ、彼色に染まれない劣等生です。全身柔らかなイバラの棘で覆われている感覚で、それを遠くから見守っていてくれるのです。

 この愛が成就する日が来るその為にとりあえず愛し方を学んでいる最中です。

 永遠という言葉の意味をちょっぴり理解した様な気持ちでいるけど、いまだに彼の存在を実感出来ない理由がまだわかりません。私の中ではまだ架空の人物なのです。

戻る   Point(2)