きざし/◇レキ
 
流れ星のつく嘘に騙されて
幾千も羽ばたいていく星宛ての青い希望達
宇宙の塵になってゆく

もがれた翼が無意味なゴミのように時折地上に降っている



地下は重く粘度の高い暗闇だ
息苦しいけど進まなければ
予感だけで方向を決め
爪のない手で壁をひっかく
そうして幾年と経った

ちっとも進んでいるように思えない
相も変わらず暗闇だ
この絶望に力なくうなだれる

こうして死んでゆくのだ
何もわからないまま
何一つ全うできず



うなだれて立ち尽くして幾年と経った

ふと上から音がする
乾ききった落ち葉が
そっと降り積もるような

(どんな生き方だろうと死んで無に帰るのだ)

何の音かも知らないくせに
自分の羽の手触りを確かめている
針金にラップを巻いただけの粗末な羽だ
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