永遠の翌日/カワグチタケシ
 
金曜日
朝日に顔をしかめて
パジャマのままで通りに出る
すれ違う人たち
アトラクションみたいな駅前ロータリーで

敗者の通勤経路
誰かが仕掛けたアラームが鳴り止まない満員電車で
使用資格を限定した切符
都市計画とはいつでも残酷に行使される

意味の中に君を感じる
午後
荷物はつぎつぎに運び出され、あっという間にがらんとしてしまう

窓の外の夜が明るい
雨が降っているのに

永遠の翌日
今日から七月
星祭の夜
エンゼル街では
金魚のように着飾った娘たちが
思いおもいに
息を吸ったり止めたりしている

自由になるためには
なにもすることはないのだ
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