カツカレーのある夢/soft_machine
 


自覚できる夢の終わりは
楽章の変り目の濃厚な沈黙に似ている
楽章の変り目の濃厚な沈黙をひき裂く
誰かが立てる咳に似ている

なんて明らかなこじつけだけど
ちょっとは合っているのだからこれでいい
誰かが立てる咳がやたらと堂々としていることに抱く憎しみが
殺意とそっくりなのだから

空の画に星を描き加える
いまだ黒々しい画布はどことなく寂しげで
遠鳴きする犬の孤独のようだ
僕はそこに描かれる星のひとつに入る
いつか近未来
山羊と雄羊が
かわるがわる金星を食べる






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