風切羽/あらい
弱々しい夢ならば褪めないで
どこか踏み鳴らしたあとに生まれゆくから
回路図をくすぐる意思は
その星回りの爪痕を遺した光景に準じて
影はあしらわれ、付き従うことで
また覚醒めなさい、その木ノ葉時雨よ
飛翔するだけ生命であれば
息吹は折り重なり染み入る頃に
かがやきを露出した香気ばかりが弾んだ
ときにみそらを炙り出す
淡彩画の速度は
一枚の羽が、雲を霞に
鋳型の義肢はただ知らぬ道を
駆け出すことをやめないから
堰を跳ね上がるだけの楽園の演出とは
ひとつの軸に沿って片道に預けられた曼荼羅
かこつけて外れた調子の暁をみた
シグナルは黄色の点滅を
旋回するだけひとときは図と記号を象る
花園の頭上をより高く跳べ
地には翼を授ける足があるのだから
運河に広がるキャンバス画の一部に
払いのけるような潮合の隙に
その花嵐にただ従いなさい
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