記憶と忘却/番田
覚えている。扇風機がそろそろ必要な季節がやってくると、窓を開けたところで風の入ることのない日々を思い出させられながら、考えた。僕は、何をしていても僕自身なのだと思いたかった。でも、そんなことは、何をしていても感じられない。顔を上げてみても、下げているように僕は心の中では思える気がする。どこかの国の大統領の言葉は、今でも国民の心に残されているのだろうか。肉体は無くなっても、人々の記憶には残されていることだろう。いやそれとも、なくなってしまったのだろうか。僕はもうサッカーをやりたいとは思わないけれど、一体あれからどのくらいの時間を僕は生きてきたのかと思う、アルバムも、もう捨ててしまったから。
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