存在を裏返してみると/積 緋露雪00
 
存在を裏返してみると、それは口から肛門までの消化器系と言ふ外部を内包してゐる存在の有様の不思議に先づ、目が行くと思ふが、そもそも存在はその芯のところに外部が占有してゐると言ふ内外逆転したある矛盾をそもそも論として内包してゐる。外部が存在の芯にあると言ふのは何だか台風の目付近では暴風雨が止んで晴れてゐるのを連想したくもなるが、つまり、それは何が言いたいかと言ふと、肉体はもしかするとカルマン渦を忠実に固着化したものと言へなくもないのである。熱は上へと上昇し、人間では熱は頭蓋骨へと絶えず上ってゐて、そのとき、上昇する熱は竜巻の如く渦を巻き上っていってゐるのかもしれず、その気道を確保するのに消化器系と言ふ
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