ある街の美術館で/番田
ルームを再現した部屋など。僕はどこか、どうも釈然としない思いで、そして、その美術館を後にした。
美術館の前には、ちょっとしたモールがあって、スター・ウォーズのキャンペーンがやられていた。しかし、あのような美術館の展示を見た後では、それは同じ映像表現であり、視覚的に表現されたものではあったのに、どこか、相反するもののようにしてその時は目に見えた。日々精神と肉体の鍛錬に従事する青年と、台湾の縫製工場に勤務する従業員の、ドキュメンタリーのようだった映像。それらをぼんやりと思い出しながら、僕は、京浜東北線からの長い帰路についたのだった。
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